お会計にて、見たくなかったが その7
しかし、待ってもなかなか出てこない小島氏のことが気になり、そっとお店のドアに目をやると、どうやら小島氏は領収書を書いてもらっているようだった。その晩の食事代を経費で落とそうと考えているのだろうか、と思ってしまったが見なかったことにした。数分経ってお店から出てこられた小島氏とはそこで「では」という感じで別れた。
翌日、その晩の御礼も含めてメールをしたのだが、小島氏からは返信がなかった。
そして数日後、オーネットの掲示板を見てみると、なんと小島氏はどなたかと交際を始められたのか、もしくは何かの用事だろうか、休会を知らせるマークに変わっていた。
お会いした数日後には休会になっているなんて・・ きっと田中と会っていたときには既に休会することを決心していたはずだ。「誘われたし、ちょっと会っておこうか」くらいの気持ちだったのでは・・と、そんな悪いことを考えてしまったが、あながちそんなところかもしれない。真相はわからないまま、小島氏ともはかなく終わってしまった。
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興味を持たれていないことを肌で感じる その6
小島氏と初めてお会いした日。田中は小島氏のお仕事の話など、とても興味深く感じられ、またハキハキとした小島氏の明るい感じにも好印象を持った。だが、途中くらいからだろうか、あまりはっきりとは顔には出さないが、なんとなくこちらに対してはあまり興味を持ってもらえていない感じがしていた。だんだんと相づちもおざなりな感じになり・・ 小島氏は時折、腕時計をチラッと見ていることを田中は見過ごさなかった。退屈されているのだろうか、もう早めに切り上げたいのだろうか、とそんなマイナスなことばかり考え始めてしまった。
そんなことを思うよりも、今まさにこの場面を楽しく過ごせるよう努力するべきところを・・ そういう仕草が目に付くと、田中はどうしても気にしてしまうところがあり、余計に自分の言動に気をつけなければと思い、ガチガチになってしまう。
気がつけば二時間くらい経っていただろうか。「そろそろ・・」と、そんな雰囲気になり、どちらかというと小島氏から切り上げられたような気もしたが、一緒に会計へ向かい、約7000円くらいだっただろうか。小島氏は「田中さんは3000円でいいですよ」とおっしゃってくださった。小島氏はその額を受け取ると、「田中さん、良かったら先に出て待っていてください」と言われた。出入り口が混雑してもいけないため、田中も「それでは先に出ておきますね」と伝え、お店を出たところで待っていた。
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小島氏と初めてお会いした日 その5
お会いする約束をしていたその日。お互い同じ都道府県内に住んでいるということもあり、またお互いの職場も同じ地域にあることが判明したため、待ち合わせは職場の最寄り駅となり、お互い負担がなくお会いできた形となった。
こうして初対面の男性とお会いして、食事かお茶をして1~2時間ほど過ごすことにも最近は随分と慣れてきた。だが、こうしてお会いして交際を経て結婚までの道のりを考えると、本当にそこへ到達出来る日が来るのだろうか、と考えてしまう。
実際にお会いした小島氏は想像以上にハキハキとされており、お仕事の充実度からくる輝きのようなものを放っておられた。小島氏の働き方はとても理想的だ。事業もきっとうまくいってらっしゃるのだろう、と今までのメッセージで交わした内容からも想像してみたりした。
少し上品な、居酒屋のようなお店に入り、カウンターで横並びに座った。初対面ではお酒は頼まないことにしている田中を察したのか、小島氏もソフトドリンクを注文していた。小島氏は普段からそうなのか、とてもあっさりとした性格のように感じられた。単に田中に興味を持ってもらえなかったからかもしれないが・・
お互いの仕事の話や結婚観についても話したり、田中は小島氏の個人事務所を設立して働くその形にとても憧れがあり、設立までの経緯などの話も聞かせて頂き、とても興味深かった。
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