正直に話してくれた内容は、まさに田中も実感していたことだった その9
なんと正直に今の気持ちや状況を話してくれた。確かに婚活をしていても、それ以外での出会いもあるだろう。風間氏には長年一緒に活動されているメンバーもたくさんいらっしゃる。その中の方から告白をされて、まだ返答できていない状況とのこと。そして、婚活を通して複数の方々と連絡を取り合い、うまく調整して会いながら、自分の気持ちを整理することは至難の業だ。田中もその難しさを身にしみて感じている。そんなこともあり、風間氏が今、はっきりとした気持ちが持てないまま、どう進めていくか迷っているのがよくわかった。
ここは一歩引いて、待つことが大切だと感じた。
風間氏の状況が整い、もし田中にまた会いたいと思っていただけたら連絡をいただけますか、と伝え、その日は別れた。
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とまどいを隠せない正直な風間氏 その8
初回お会いした帰り際に、また次回会って頂けるか聞いてみた。すると、風間氏はとても焦り始め、もごもごと言ってはっきりとした回答は得られなかった。二人の間に微妙な空気が流れ、改札に近いところまで来ていたため、もうその日はそのまま別れようと思った。だが、風間氏は申し訳ないと思ったのか、こんなことを話し始めた。
「田中さん、あの、田中さんのように動物が好きで、私が長年している活動についても興味を持ってくださって嬉しくて、次回の約束をしたいのですが・・ 実は、婚活で出会った方ではなく、一緒にその活動をしているメンバーの一人に告白をされていて、その方にまだきちんとした返事をすることができていません。田中さんに交流申請をしてからしばらく時間が経っており、その間にそんなこともあり・・ ただ、まだ自分の中でそのメンバーの方に対して迷いもあり、こうしてオーネットに登録して婚活もしているわけですので、いろんな方と会っていると、気持ちが追いついていない段階で複数の方々と次に会う約束をして、調整するのが難しいと感じているところでした」
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焦ってとまどう風間氏 その7
初回の終盤、既に風間氏に対してもっと知りたいと思い始めていた。風間氏のこともその動物に関するボランティア活動についても、また財団でのお仕事や、ご家族のこと、結婚観などについても話してみたい。ガツガツしているように見られたくはないが、次の約束をしておきたいと思った。それができると、その日帰ってから次回まで、少なからず気持ちが安定して過ごすことができる。
初回での食事も終わり、お店を出て駅へ向かい始めた。
「風間さん、あの、また次回も会って頂けますか?」と勇気を振り絞り、聞いてみた。
すると風間氏は、「えっ、あ、ああ、はい。次回・・・ あ、はい。ちょっとすぐには予定が調整できないかもしれませんが・・・」と最後はもごもごと、何をおっしゃったのかわからなかった。しかし、今までにはなかったその焦りようが不自然なほどだった。まるで、悪いことをした子供が必死にそれを隠すような・・ 一体、何があったのだろうか。
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