なんと、その趣味は・・・ その７
長距離の、しかも睡眠も取らずに運転をして、某県へ日帰りで行ってきた話をされた川野氏。そこで何があったのか、なぜ行かれたのかを聞いてみると、ものすごく照れくさそうにもじもじしながらこう答えてくれた。
「あの、田中さん、引かないでくださいね。恥ずかしいのですが、僕、AKB48のSさんが好きで握手会に行ってきたんです」
握手会・・・？
詳しくはよくわかっていないが、AKBがそういったファンとの交流をされていることは知っている。その応援しているSさんと握手をするために、その距離を夜通し運転して日帰りで行ってきたとは・・・ ちょっとびっくりしてしまった。
人の趣味をとやかく言うつもりもないし、そんな権利もないのだが、「AKB48が好きで追っかけをしています」と言われると、同じ趣味の女性でもなければ少し動揺してしまうのではないだろうか。そのアイドルに会いに行って、握手ができて、その限られた数秒間か数分間に会話ができるという、生身の女の子とのふれ合いに多くの女性たちは「えっ・・・」と思ってしまうのではないだろうか。
嫉妬とはまた違う、もやもやとした気持ちが芽生えた。
彼女がいても、握手会に行くのかな・・・ 結婚してもそのアイドルに会いに行くのかな・・・
恥ずかしそうにしながらも、AKBの話になるとまた輝きを放ち始め、やや興奮気味になってきているのが見て取れた。本当に好きなんだな、夢中なんだなというのが伝わってきた。そして、この話をする川野氏はものすごく楽しそうだ。
田中がAKBの握手会についてどのようなものかを知るために質問してみたところ、 詳しく教えてくれた。なんでも、毎年恒例の総選挙のときには、そのお目当てのSさんに投票するため、選挙権がついてくるCDを５０枚は買っているという。そして握手会の度にも交通費はじめ、今までにも随分とお金を使ってきたと自虐的に話してくれた。そして、なぜ遠くの握手会へ参加するのかは、もし万が一、職場関係や生徒たちと会場で偶然会ってしまったら恥ずかしいということで、地元の握手会へは近寄らないという彼自身のルールからくることを知った。
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