まさかイベントに誘われるなんて その4
イケメン佐々木氏から音楽イベントのお誘いメールが届くなんて考えてもみなかった。むしろ、1回お会いすることができたし、その後、特に進展もなく、佐々木氏はモテるだろうし、あきらめないといけないと思っていた矢先である。
添付してくれていたイベントの案内を開けてみる。
主催を見てみると、なんと佐々木氏の勤務先の会社ではないか。
内容は、車の試乗コーナーや、その日、見積もりまでするとプレゼントがもらえる、といった車の販売イベントである・・・
音楽のイベントと聞いたけれど、グループ名も知らない若い子たちのグループが、オープニングに歌うだけのようである。内容からして、れっきとした販売目的のイベントではないか!!!
「僕は当日、9時半から会場にいます」というメールが届いた。「よろしければ、いかがですか?」なんて前回のメールにあったため、てっきり二人ででかけるものとばかり思っていた田中!!!!
冷静になって考えてみると、そりゃそうだ、同僚や上司のいるイベント会場に、彼女でもない田中と二人で行くはずがない。営業職として、一人でも多くのお客さんに来てもらわないといけないのだろう。
オーネットの決まりで、営業目的行為や物を売りつけたりしてはいけないといった決まりがあるが、イベントに呼ぶことは、規約に反していないような気もする。
もう一度、よーーーーーーく考えてみると、やはり、田中を結婚相手として考えているような節はないし、そんな素振りも見受けられない。何より佐々木氏はイケメンだ。
佐々木氏からイベントに誘われて、舞い上がってしまっていたが、きっと声をかけたその他大勢の一人なのだろう、と思えてきて、喜んだ自分がむなしく感じられた。
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