二人で会っているときにまた電話が その13
動物園で小椋氏と三回目にお会いし、お昼ご飯の後、お母様から電話があった。きっと、田中と動物園に来ていると話したのだろう。
その30分後くらいにまた、小椋氏に電話がかかってきた。小椋氏は、田中の少し離れたところで電話にでた。なんとなく会話が聞こえてくるくらいの距離である。
「いや、それは今日はいいよ、今日だと急すぎるよ、あまり迷惑かけたくないし。とにかく今日は・・」と必死に何かを断っているようだ。
一体何の話だろう・・と気になり始めた田中。ごめんね、と申し訳なさそうに小椋氏は電話を切って田中の側に戻ってきた。田中は「大丈夫ですか?」とたずねると、小椋氏は、「母親が田中さんと今一緒なら、夕食をうちで是非と言ってきて・・ 前回同様、急すぎるし、田中さんもその予定ではないでしょうから、なんとか断りました」と照れ笑いをしながら、かといってお母様を責めるようなことも言わず、田中への気遣いも見せてくれた。お母様のこと、大切にされているのはよくわかるのだが、田中と会っていると知っていて息子に電話を・・しかもその晩、自宅での夕食にと誘ってくるあたり・・ 良い意味で解釈すると気さくなのかな?とも思うが、婚活でお会いしている以上、構えてしまった。
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