プロフィールには「禁煙者」となっていたけど その2
初めて原田氏にお会いした。
少し焼けた肌に、ごつい感じではないのだが、骨太そうな、がっちりとした感じのする体型であった。
仕事帰りということもあり、居酒屋風のお店へ向かうことになった。原田氏は40歳ということもあり、田中からすれば「大人の男」そのものだった。
お会いしてお店へ向かうまで、横に並んで歩いていると、ほんのりとタバコの臭いがしてきた。
確か、交換し合ったプロフィール欄からの情報によれば、喫煙者ではなかったはずなのだが・・
田中は、タバコの煙で目が痛くなることがあるため、なるべくならタバコは吸わない方がいいと思い、今までもプロフィールを拝見する度にその箇所は必ずチェックをしていた。
魚介をウリにしているその居酒屋風のお店に入る際、店員さんに「おタバコ吸われますか?」と聞かれた。原田氏はすかさず、「喫煙で」と答えた。田中はこの日、婚活用にと新調したブラウスを着てお見合い初回に臨んでいたため、タバコの煙にまみれてしまうのはなんだか惜しい気がした。それに、「喫煙の席でもいいかな?」と、一言聞いてもらいたかったと思ってしまった。
席について、ドリンクと何皿か注文した後、聞いてみることにした。「あの、プロフィールにはおタバコは吸わないと書かれていたかと思うのですが・・ 時々喫煙されるのですか?」
「あー、あれ、プロフィールの欄ね、俺、禁煙者で登録されてたっけ? 確か、相談所に登録する際、女性は禁煙者を好む人の方が多いので、滅多に吸わないか、タバコをやめようとお考えなら、禁煙として登録されることをおすすめします、みたいなこと言われて。俺、そのときは本当にやめようと思っていたから、そう登録したんだっけ・・・」
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