ぷうん・・と臭う汗 その6
待ち合わせの場所に急いで走ってきてくれた鈴木氏。聞けばその日はお仕事で、販売店ではなく、車の親会社での会議に参加されていたようだ。
急いで駆けつけてきてくれたことには感謝しなければいけないのだが、鈴木氏のシャツと下着が汗でくっつき、額からの汗が止まらない。少し涼むために、近くの本屋さんの中へ入って一緒に歩いていたのだが、冷房の風向きにより、時折ぷうん・・と汗そのものの臭いが鼻をついてくる。近い距離なので仕方がないのだが・・
5分くらいして落ち着かれたようだったので、鈴木氏が考えてくれていたお店へ向かうことになった。そこは地鶏専門の居酒屋を上品にしたようなお店だった。
「これ、おいしいんですよ。苦手じゃなかったら試してみてください」「これ、前に食べたらおいしかったよ」「この料理のこの焼き方がここの名物で」と、初めてのお店ではどれを注文するか迷ってしまうところ、さらりとコメントをしてくれて、それが絶妙なタイミングで、注文するものをスムーズに決めることができた。
向かい合って座っていたのだが、変な沈黙にもならず、雑談から一般会話までスムーズに運び、不愉快な思いをすることもなく、笑いもあり、一緒にいて楽しいと思った。
車の販売をされているので、初対面の人間相手でも、会話を進めていく話術はお見事だと思った。
応援してください