婚活で会った人数を聞いてくる細川氏 その2
予約していただいていたお店は、店内の真ん中に巨大な水槽がインテリアとして置かれ、その厚みがわずか30センチくらいのお洒落なつくりとなっている。その水槽を仕切りにするかのようにテーブルが配置されており、水槽の中にはこれまたお洒落な金魚が泳いでいる。水槽に藻が生えていることもなく、手入れが行き届いているように見える。
ここは創作料理のお店で、細川氏と取り分けながら食べるものをいくつか注文した。細川氏はビールが好きで、家でも箱買いをされているとか。その日も迷わずビールを注文されていた。
細川氏は実に陽気な性格で、自分の話を織り交ぜながら田中にも話を振ったりと、初対面とは思わせない話術である。細川氏は人見知りするような人の気持ちや悩みは、きっと持ったことがないだろう。誰とでもこんな風に打ち解けて話すことができるのだろうか。それとも、板についた営業用の顔だったりするのだろうか。
ビールが進むにつれて、更に陽気になってきた細川氏を見ていると、なんだか憎めない少年のような雰囲気をも感じ始めた。
シーザーサラダや鶏の唐揚げ、グラタン、豚肉の香草焼きなどを分けながら食べていると、「田中さんは実際のところ、婚活を始めて何人くらいの方と会いましたか?」と質問された。
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