家族の絆 その４
初対面ではあるが、仕事の話や結婚観までざっくばらんに話すことができ、終始和やかな雰囲気で２時間くらいその場で過ごしていた。この後、予約されているというドッグランへは、行くかどうかその日決めるのでもいいので、とおっしゃってくださっていたが、折角なのでご一緒させていただくことにした。結局その日は、ヒールのない靴を履いていたので、南氏にお会いしてからよっぽど不快な思いをすることがなければその後も一緒に行こうと考えていた。
「それは良かった。動物が好きな田中さんなら一緒に楽しめそうです」と言いながら、南氏は明るい表情を見せてくれた。
お店を出て、ご実家で飼っていらっしゃる犬はどうやってドッグランのところへ来るのだろうかとふと疑問に思った。一度、ご自宅へ戻る予定なのだろうか。聞いてみると、なんとお父様が連れてくるとのこと。ということは、その場で合流するのだろうか・・ 南氏は毎週、土曜日か日曜日の夕方、雨でなければ涼しくなった時間帯に、お父様とドッグランへ犬を連れて行くことにしているということを知った。なかなか週末に約束ができなかったのは、こういった予定もあったからだろうか。いつもお父様とこうして出かけているからか、日常の一コマに過ぎないといった感じがした。時々、ドッグランに連れて行くとき、妹も一緒に行くこともありますと話してくれた。
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