三村氏のまさかの返答に、後悔し始めた その14
「そうですか、田中さんは気になる存在の男性がいるのですね。それでしたら、その方とお会いしたりしてからでも私は構いません。もしその方と進展が見込めないと思ったときに私のことを思い出してくださったらまた連絡をいただけませんか? 私は休会をして、他の方々には会わずに田中さんのことを待っています。」
信じられないくらい優しい言葉をいただいた。田中が逆の立場なら、同じことが言えるだろうか。休会して待っていても、思い出して連絡をくれない可能性だってある。それなのに・・
改めて三村氏の優しさ、器の大きさを感じた。こんなことを言ってくれる男性は今後現れるだろうか。もういっそのこと、今すぐにでも三村氏の胸に飛び込むべきではないだろうか、と思い始めた。
先程、田中が正直に気になる方がいるということを話したことを急に後悔し始めた。もし、その気になっている方と何の進展も無かった場合、三村氏を待たせた挙げ句、「私とお付き合いしていただけませんか」と、どのような顔をして三村氏に言えるだろうか。そんな厚かましいこと、できやしない・・ そんなことを考え始めるとただただ後悔しか残らなかった。この中途半端なまま、帰宅するのはよくないと考えた田中は、三村氏に「なんだか申し訳ございません。そのような優しい言葉をかけてくださって・・待ってくださるのは嬉しいのですが、私の勝手でそれは申し訳なくて・・ せめて休会だけはしないでください」と伝えた。
応援してください