「田中ちゃん」「田中ちゃん」と呼ばれ その2
初めて藤井氏と待ち合わせをしていたその日。待ち合わせ場所では、拝見していた写真より少し落ち着いた感じの藤井氏がいた。仕事モードのときと、プロフィール用の、きっと休日に撮影されたであろう写真とは少し雰囲気が違っていた。とはいえ、髪型は少しおさえめではあるがセットはきちんとされていて、前髪からサイドの髪は横流しにされていた。
「この近くにすごく居心地のいいお店があって」と言いながら藤井氏は田中を誘導してくれた。そこはカジュアルなイタリアンで、二人で分けながら食べるものをいくつか注文した。
藤井氏は初対面ながらも、会話を進めていくのが上手で、知らず知らずの内に緊張がほぐれていく感じがした。藤井氏を正面からマジマジと見てみると、やはり写真でも感じたとおりとてもイケメンさんだ。鼻筋が通っており、二重のくっきりとした目、それから顔全体が小顔である。ついうっとりと見とれてしまいそうになる。
そして、こんな甘いマスクならば、女性など選び放題ではないだろうか。
そんなことを思いながら、ジュースで乾杯をし、サラダやピザ、パスタを分け合いながら頂くことになった。食事も中盤に差し掛かったころだろうか。藤井氏は急に田中のことを、「田中ちゃん、田中ちゃん」と呼び始めた。
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