興味を持たれていないことを肌で感じる その6
小島氏と初めてお会いした日。田中は小島氏のお仕事の話など、とても興味深く感じられ、またハキハキとした小島氏の明るい感じにも好印象を持った。だが、途中くらいからだろうか、あまりはっきりとは顔には出さないが、なんとなくこちらに対してはあまり興味を持ってもらえていない感じがしていた。だんだんと相づちもおざなりな感じになり・・ 小島氏は時折、腕時計をチラッと見ていることを田中は見過ごさなかった。退屈されているのだろうか、もう早めに切り上げたいのだろうか、とそんなマイナスなことばかり考え始めてしまった。
そんなことを思うよりも、今まさにこの場面を楽しく過ごせるよう努力するべきところを・・ そういう仕草が目に付くと、田中はどうしても気にしてしまうところがあり、余計に自分の言動に気をつけなければと思い、ガチガチになってしまう。
気がつけば二時間くらい経っていただろうか。「そろそろ・・」と、そんな雰囲気になり、どちらかというと小島氏から切り上げられたような気もしたが、一緒に会計へ向かい、約7000円くらいだっただろうか。小島氏は「田中さんは3000円でいいですよ」とおっしゃってくださった。小島氏はその額を受け取ると、「田中さん、良かったら先に出て待っていてください」と言われた。出入り口が混雑してもいけないため、田中も「それでは先に出ておきますね」と伝え、お店を出たところで待っていた。
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