ぶっきらぼうな態度 その2
しばらくやり取りが滞っていたのだが、ある日突然「会いましょう」ということになり、約束をしていた日を迎えた。内海氏は、とある有名なメーカーでエンジニアとして仕事をされている。そして、内海氏は今や珍しく思える三兄弟の中の一番下のようである。お兄さんお二人は、詳細プロフィールを拝見する限り既に結婚をされているようで、内海氏は現在、ご両親とご実家にお住まいのようである。
待ち合わせ場所で内海氏とおぼしき方を見つけたので、田中から近づき、ご挨拶をした。内海氏も名乗りながら挨拶をしてくれたのだが、どことなく、ぶっきらぼうな、言い方によっては偉そうな印象を受けた。田中が時間に遅れて到着したわけでもない。でも、早めに待ち合わせ場所に来られて待ってくれていたのかもしれない、と思うとそれが理由かもしれないとも思えたが、初対面でこうもぶっきらぼうな感じだと田中は少し萎縮してしまいそうだ。
その日は内海氏が良い場所があるということで、向かった先はカジュアルなカフェだった。そこで飲み物を注文し、平日の仕事帰りで空腹ではあったのだが、内海氏は飲み物だけ注文されていたので田中もそうすることにした。内海氏に、「ここに来たことある?」と聞かれた。
どうやらこのカフェは少し前にオープンしたばかりで、はじめの1、2ヶ月はとても混んでいたようだ。そのようなことは知らなかったということを伝えると、「は~、やれやれ」といった仕草をしてみせ、フッと鼻で笑ったように田中は見えた。
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