地方裁判所職員の国家公務員、中村氏（３２歳）その６
中村氏と会った後、それではまた、と別れた。
オーネットの掲示板では、どちらかがブロックをしなければいつでも連絡を取ることができる状態にある。また、誰かと交際をするためなどで休会するときも、届け出を出すと、今まで連絡を取り合っていた人たちとはもうブロックされてしまう仕組みになっている。
中村氏と会った翌日、お礼のメールをした。ほどなくして、中村氏からもメールが届いた。
「昨日はお時間をいただき、ありがとうございました。田中さんは素敵な方とお見受けしましたが、僕が求める女性とは少し違う気がしました。もう少し、婚活を続けたいと思います。今までありがとうございました。」
・・・！！！ 田中、ショ～～ック！！！
少なからず中村氏に対して好感を持った田中、それにお会いしたときに、次は某水族館へ行こうという話をしていただけに、あれは会話の流れとはいえ、社交辞令だったのだと今になって気づく。
もう少し長い時間、一緒に過ごしてみたいと考えていただけに、一発ガーンとくらってしまった。そして、オーネットの掲示板を見ると、メールの後、田中は見事にブロックされていた。
これには免疫のなかった田中。さっきのお断りメールがなく、いきなりブロックされるよりはマシだと自分に言い聞かせつつも、やはりショックだ。
しかし、結婚を考えられない相手と無駄につきあう必要もないのだから、中村氏の潔い結論に納得しつつも、婚活しょっぱなから、かなり堪えた。
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