ネチネチと、重箱の隅をつつくようなことばかり その3
初対面での食事中、田中に対して無意識ではあるだろうが、指を差してくるクセが気になり、嫌だなと思っていたところ、注文していた枝豆が運ばれてきた。
すると見るからに、豆が出てしまっていたり、時間が経ってしまったのかペチャッとしていた。食べてみると塩気がなく、あまりおいしくないと思った。横田氏も、塩気が期待値に達していなかったようで、ネチネチと文句を言い始めた。
まるでうんちくのような、おいしい枝豆が出せない居酒屋はなにを食べてもまずい、そのうち潰れるとまで言い出し、大体、このゆで加減からして問題で、枝豆をお皿にのせて運ぶ段階で、店側は何も思わないのだろうか、と真顔で言い始めた。
冗談で、「この枝豆、ちょっとね~」と話すのと、こうして責め立てるのとでは同じ事を話していても全く違う印象となる。
なんだか聞いていて気分が悪くなってきた。仕事のストレスがあるのかもしれないが、こうして細かいことにネチネチと文句を言う性格はあまり好きではない。
ちょっと合わないな、と感じた田中はその晩、その日のお礼を含んだお断りメールを送った。
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