急いでお店を出てから その6
バイクの後ろに乗ることをしつこく誘われ、スカートをはいていたし、乗りたくないしで丁重に断っていたが、あまりにもしつこかったので、少し強い口調で困ることを伝え、自分の食事にかかった分をお札数枚手渡し、「ここで失礼します!!!」と言ってお店を出た田中。急いで地下鉄の入り口へ向かい、逃げ込んだ。というのも、強引で、相手の感情を考慮しない奧田氏は、走ってでも追いかけてきそうな気がしたからだ。初対面の婚活相手の腕をつかむような人間だ、相手が嫌がることをしていることについて自覚はないのだろうか。
食事を共にしただけで随分と疲れを感じた。
一回り年齢が上といっても、少し子供っぽく、強引に自分の領域に引っ張り込もうとしてくるところが嫌で仕方がなかった。
急いで家へ帰り、オーネットの掲示板でお断りのボタンを押してホッとした田中。
だが、会うまでにメールでやり取りをしていたため、また携帯に連絡がきたらどうしよう・・・と少し不安になった。
あまりにもしつこくされて帰ってきたのだが、これからも婚活を続けていくことが億劫に思えてきた。いろんな人がいる以上、仕方がないのだが、あまりトラウマになるような、不毛な出会いはできるだけ避けたい。
こういうことが度重なると、婚活疲れになるのだろうな、と思った。
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