むなしさが募り・・ その4
急なお客様との対応で約束していた日に会うことができなかった鈴木氏。
お客さん相手の販売職ならそういうことは多いだろう。
しかし、待ち合わせまでの間、駅構内のパウダールームで化粧直しと身支度を終え、さあいよいよ、といったタイミングで受けた連絡だったため、意気消沈してしまった。
その日に限って、上塗りとなるファンデーションはうまくのり、冷房対策の薄いカーディガンは新調したものだった。田中なりに、気合いを入れて身支度をした後だったために、このまま真っ直ぐ家に帰って化粧を洗い流すだけでは、むなしさしか残らない。鈴木氏はどんな方だろうと期待に胸を膨らませていただけあって、この気持ちの急降下を何かで紛らせたいと思った。
以前からあるお店の前を通る度に、一度でいいから食べてみたいと思っていた特大パフェを一人で食べにいくことにした。夕食時とあり、さすがにお子さん連れのお客さんはいなかった。大盛りパフェをほおばることで自分を慰め、こんな日もあると自分に言い聞かせ、帰宅することにした。
その日の夜、寝ようとした頃に鈴木氏からメールが届いた。
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