断り文句なのだと思うことにした その8
婚活において、断るためにはバッサリと斬ってくれる人のほうが、良心的なのかもしれないと思うようになってきた。
田中が登録しているオーネットでは、連絡を取り合っていた者のどちらかが「ブロック」すれば、もうそれ以上連絡をすることができなくなる。だがこれは、オーネットの掲示板上でのことなので、その掲示板を離れてメールや電話番号、ラインの交換をしていれば連絡はつくことにはなる。
初めて会った鈴木氏は、汗のことだけ気になったが、一緒に過ごして楽しかったし、印象は良かった。
が、その日の夜、「友達でいてください」というメールが届いた。これって、結婚相手にはならないけど、たまには会って仲良くしていこうということだろうか、と一瞬思ったが、いやいや、今さらこの年齢で仲良しこよしはないだろう。昔、一緒にサークル活動をしていたメンバーであったり、一緒に勉強をしていた仲間といった何かを共有してきた間柄ならまだしも、婚活で出会った男性とお友達になるのは不可能だと思う。これは断りの文句だろう。いや、そうに違いないと思うようにした。
それなのに、次の日からも、今までと同じようにいろんな時間帯にメールが毎日届く。おはようのメールだったり、今から○○へ行きます、といった他愛もないものばかりだ。
これが鈴木氏のやり方だろうか。今まで婚活で出会った女性に対しても、結婚相手未満であれば同じようなことをしているのかもしれない。
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