なんとなく上から目線 その3
その連れられて向かった先のカフェがまだ新しく、オープンしたばかりだとは知らなかった田中。そのことを伝えると、「やれやれ」と言った表情を見せ、鼻で笑ったように感じた。誰しもが流行りのスポットや流行をおさえているわけでもない。そんな、最近できたお店をチェックすることにも限度があるのでは・・とも思ったのだが、「ここ、ずっと気になっていて来てみたかったんです!!!! 内海さんはもうすでに来たことがあったのですね、さすがですね」といった返答を期待されていたなら、田中の反応は薄すぎてがっかりしたことだろう。それにしても、こんなこと一つでこの態度、なんだかムカムカとした気分になってしまったのだが、うまく内海氏を立てることができなかった田中も悪いのか? それにしても、内海氏と話していると、どことなく男尊女卑的な物の見方をされているような気がしてならない。話の中で、先日、内海氏の職場の50代の女性社員の方があることをきっかけにヒステリーを起こしたようだ。その話をしながら、「だから女は職場でも感情むき出しで嫌なんだよ」と言い放った内海氏の一言が頭に残ってしまった。そんな話、初対面の婚活相手の田中に話したってマイナスでしかないのに・・
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ぶっきらぼうな態度 その2
しばらくやり取りが滞っていたのだが、ある日突然「会いましょう」ということになり、約束をしていた日を迎えた。内海氏は、とある有名なメーカーでエンジニアとして仕事をされている。そして、内海氏は今や珍しく思える三兄弟の中の一番下のようである。お兄さんお二人は、詳細プロフィールを拝見する限り既に結婚をされているようで、内海氏は現在、ご両親とご実家にお住まいのようである。
待ち合わせ場所で内海氏とおぼしき方を見つけたので、田中から近づき、ご挨拶をした。内海氏も名乗りながら挨拶をしてくれたのだが、どことなく、ぶっきらぼうな、言い方によっては偉そうな印象を受けた。田中が時間に遅れて到着したわけでもない。でも、早めに待ち合わせ場所に来られて待ってくれていたのかもしれない、と思うとそれが理由かもしれないとも思えたが、初対面でこうもぶっきらぼうな感じだと田中は少し萎縮してしまいそうだ。
その日は内海氏が良い場所があるということで、向かった先はカジュアルなカフェだった。そこで飲み物を注文し、平日の仕事帰りで空腹ではあったのだが、内海氏は飲み物だけ注文されていたので田中もそうすることにした。内海氏に、「ここに来たことある?」と聞かれた。
どうやらこのカフェは少し前にオープンしたばかりで、はじめの1、2ヶ月はとても混んでいたようだ。そのようなことは知らなかったということを伝えると、「は~、やれやれ」といった仕草をしてみせ、フッと鼻で笑ったように田中は見えた。
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メーカー勤務のエンジニア 内海氏(38歳)その1
内海氏とオーネットの掲示板を通してメッセージのやり取りが始まった。
お互いの詳細プロフィールを交換し合い、内海氏の写真からは30代後半には見えず、実年齢より若く見える風貌だ。短髪にされて、髪を少し立たせているからだろうか、とても爽やかな印象を受けた。
ひとたび内海氏とメッセージのやり取りが始まると、そのときは何往復か交わすのだが、そのあと、個人的なメールアドレスの交換や、今度会いましょうという話にはならない。そして10日ほど間があいて、ふと思い出したかのようにまたメッセージをいただいたり、二人のやり取りはそのような感じだったため、田中から声をかけてみるべきかと思うのだが、なんとなく田中のことは本命ではないのだろうなと感じていた。
そのような間隔でのやり取りだったため、他の方々との交流もあり、このまま自然に終わっていくのかと思っていた矢先、再度内海氏より連絡があり、なぜか今回は急展開で個人アドレスの交換を果たし、会う約束をすることになった。
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