婚活難民田中、只今迷走中!

週末引きこもりのアラサー女・田中。金曜夜は食料買い込み、月曜朝までごろ寝する。しかしこれでは本気でマズイと、自らムチ打って結婚相談所へ飛び込んだ。                                     

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

仲の良いご家族 その3

その日初めてお会いした南氏は、俳優の佐々木蔵之介さんにとても似ていた。プロフィールにあったとおり、身長180センチの細身の体型は、待ち合わせの場所でも目立っていた。とはいえ、土曜日の14時ともなれば、駅のコンコースも行き交う人でごった返し、挨拶…

男性の気遣い その2

メールのやり取りは約一ヶ月以上続いているのだが、南氏の週末の予定がどの日も埋まっているようで、お会いすることを実行に移せていなかった。半ばあきらめかけ、それ以上の期待をしないようにしていたところ、○日の土曜日の午後、カフェはいかがですか、と…

メーカー勤務の南氏(38歳) その1

南氏は、田中と同じ都道府県内にお住まいのようだ。メーカーのどのような部署にお勤めなのかまだわからないのだが、趣味に「ペット」とあったので、興味を持った。何度かメールを交わすうちに、ご両親と独身の妹さんと暮らすご実家で犬を飼っているというこ…

始めから家事丸投げというのは・・ その5

条件ありき、の婚活の難しさを改めて感じている。 恋愛から始まったお付き合いであれば、大野氏の希望すること全てを愛があるがゆえに受け入れていたかもしれない。だが、出会って1,2時間しか一緒に過ごしていない初対面の男性の結婚の条件や希望を聞いた…

大野氏が結婚相手に求める条件 その4

その日は、お互い仕事の話をし、結婚観についても話すことができた。大野氏は仕事柄、帰宅が遅くなったり、休日出勤もあることから、そのことについて理解があること、また、家事も全て負担してもらいたい、結婚相手には仕事をしていてほしいこと、子供を2人…

6年間付き合った昔の彼女 その3

聞いてもいないのに、昔の彼女の話を始めた大野氏。おまけに6年間も付き合った、なんて生々しく年数を聞いてしまうと、聞かなければ抱くことのなかったモヤモヤとした気持ちが芽生えてきた。大野氏と初めてお会いしてまだ30分も経っていない。大野氏に対…

初めてお会いした大野氏は その2

仕事後の19時30分に駅の改札近くで大野氏と待ち合わせをしていた。日数を空けず、会う約束をしたその二日後に会ったということもあり、仕事の予定はそれ以上変更になることはなく、都合が良かったようだ。 待ち合わせ場所でお会いした大野氏は、誰かに似てい…

IT関連会社に勤務の大野氏(37歳)その1

オーネットで婚活を始めてから、エンジニアをされている方と出会う確率が他の職種と比べて多いように感じる。今回もエンジニアとして働く大野氏とやり取りが始まった。 詳細プロフィールも交換し合い、大野氏は某国立大学の工学部を卒業されている。地方出身…

親子でタッグを組んで婚活始動?

田中が一大決心をし、オーネットに入会をした日のことである。 支社にて一通りの手続きを終え、いわゆる「お見合い写真」を撮影しにいくことになった。その支社では外部に提携している写真屋さんがあり、「今から田中さんがそちらに参ります」とスタッフの方…

「ゴメンゴメンゴメン、ゴメンね!!」 その10

その横同士の席が極端に狭いおでん屋さんにて。細川氏がそっと田中のふとももに左手を置いてきた。田中は無言でその手を払いのけた。細川氏はまさかそんなことをされると思っていなかったのだろう。あわよくば、田中が見つめ返し、良い雰囲気になるとでも思…

ボディタッチで田中の反応を見たかったのだろうか その9

その狭いおでん屋さんでは、となり同士くっついて座っているようなものだ。隣のおじさんの肩は何度となく当たってくるし、誰かが席を立つときはその横に座っている方が、後ろに椅子を引いて場所を作らなければ立てない。そんな空間とは知らず、二軒目に誘わ…

ボディタッチは許さない その8

食事の後、細川氏ともう一軒行くことになり、着いたのはおでんの屋台風のお店だった。そのお店の狭い空間の中に容量を超えるほどの小さな椅子が並べられていたため、当然となり同士とても窮屈だ。窮屈というより、すでに肩があたる距離である。田中の右横に…

お店を出た後、そこでお別れかと思っていたら その7

撮った写真を誰に見られるかわからないし、何年も保存されても困る・・そんな思いで、一緒に写メを撮る事を断ったことで、細川氏は少し不機嫌になっていた。だが、さすが営業職の細川氏、お店を出た後には何事もなかったかのようにまた爽やかな笑顔を向けて…

ムッとする細川氏 その6

「せっかくなので、あの水槽を背景に二人で写メを撮りませんか?」 ・・・えっ、写メを? 二人で?? ここで??? お洒落な水槽を置いてあることが、そのお店を有名にしている理由の一つなのだが、その前でお店を出る前に一緒に写メを撮ろうと言われたのだ…

一緒に写メ? その5

細川氏は自称グルメとだけあって、予約してくれていたお店での食事は、どれもおいしかった。創作料理ということもあり、意外な組み合わせの料理もメニューにあり、盛りつけもおしゃれだった。いろいろと注文したのだが、からあげについてきたソースが洋風仕…

はぐらかすことができず、正直に答える その4

婚活で何人の方と既に会ったのか聞いてきた細川氏。その質問はタブーとすら感じていた田中は、うまくはぐらかすことができたと思ったのだが、更に突っ込んで聞いてきたのでたじろいだ。うまく返せないこともあり、田中は正直に答えた。すると細川氏は、「え…

それはタブーな質問 その3

結婚相談所に登録した際に、お相手にいつから婚活をしているのかといった婚活歴を聞くのは禁止です、とは言われていないが、やはりマナーの問題としてそういったことは聞かない方がいいと、アドバイザーの方にやんわりと言われたことがある。確かにこういう…

婚活で会った人数を聞いてくる細川氏 その2

予約していただいていたお店は、店内の真ん中に巨大な水槽がインテリアとして置かれ、その厚みがわずか30センチくらいのお洒落なつくりとなっている。その水槽を仕切りにするかのようにテーブルが配置されており、水槽の中にはこれまたお洒落な金魚が泳い…

自称グルメな男性 細川氏(36歳)その1

田中は、自分のプロフィール欄に「食べ歩き」が好きだと書いたように記憶している。婚活を始めるまで、週末は時間を気にすることなく寝ては起き、起きては寝て、とひっそりと過ごしてきたわけだが、いざ出かけるとなれば、あれこれ調べてよさそうなお店で食…

お金さえあればいい!とは思えず・・ その17

二回目にお会いして帰宅した後、何故か柳田氏からまたお誘いをいただいた。 柳田氏はマンション2棟と商業用ビルを1軒管理されている。今は亡きご両親から受け継がれたものだ。不労所得で生活する柳田氏には、どことなくゆったりとした時間が流れている。こ…

なかなか会話が成立しない その16

ようやく柳田氏が考えてくれていたカフェへ到着し、車をとめて中へ入った。ここに着くまで、この日はろくに会話をしていない。挨拶と少し雑談をボソボソと交わした程度だ。柳田氏は車内でロックを流し始め、上体を使ってリズムをとりながら運転していた。 そ…

車内だとノリノリ、車外だと途端におとなしくなる柳田氏 その15

隣の運転席で流れてくるロックに合わせて上半身でリズムをとりながら音楽にのりながら運転をする柳田氏。この狭い同じ空間にいるのに、乗ったばかりの田中は同じようにリズムをとりながら楽しめるわけもなく、居心地が悪く落ち着かない。この日は、二回目に…

お洒落なサングラスと車内の音楽 その14

二回目に待ち合わせをした際、車で現れた柳田氏は窓から腕を出して合図をしてくれ、かけていたお洒落なサングラスに驚いてしまった。人様のことを言えた立場ではないのだが、柳田氏は前回お会いした際、お世辞にもおしゃれとは言いがたい格好だった。そして…

迷ったが、もう一度お会いしてみることに その13

柳田氏との初回では、きっとお互い緊張もあって、あまり会話が弾むこともなかったのだが、そういうこともあると考えることにした。だんだんと時間が経つにつれて、お互い自分を出し合えるのではないかと、そのためにはもう少し時間をかけて知り合っていくこ…

柳田氏は「優良物件」と言わんばかりの婚活アドバイザー その12

オーネットでは、会員一人一人にアドバイザーの方がついてくれている。何でも相談ができる心強い味方であるが、田中は職場に近いオーネットの支社で登録をしたため、自宅からは少し遠い。仕事帰りに寄って、あれこれと相談に乗ってもらうのもいいが、忙しく…

お会計にて その11

柳田氏は車が好きで二台所有されており、頻繁に気に入った車を見つけては買い替えているという話を聞いて、一般庶民の田中は仰天してしまった。不労所得で生計を立てている柳田氏は、実際のところどのような生活をされているのだろうか。ものすごくお金持ち…

そんなに頻繁に車を買い替えているとは その10

初対面の日の食事も終盤を迎えた頃、そういえば柳田氏はプロフィールの趣味の欄に「車」と記載されていたことを思い出した。先程の車での登場にはびっくりしてしまったが、高級車だったことは明らかだ。車の話を振ってみると、「車は昔から好きで、現在2台…

ふるさと納税に精を出す柳田氏 その9

柳田氏は食が細く、コース料理についていたデザートは断っていた。食後のコーヒーを飲みながら、普段、会社勤めをしていないので、ほぼ一人で過ごすことが多く、もう随分とそれには慣れてきたけれど、時折寂しく感じるようである。確かに、田中も毎日職場で…

マンション2棟と商業用ビル1軒を管理する柳田氏 その8

初めてお会いした柳田氏と食事をしながら、柳田氏の仕事の話となった。柳田氏は、大学を卒業された直後は、5年ほど不動産会社に勤務をしていたようだ。ゆくゆくはご両親が管理されていた建物3棟を引き受け、管理することになることが決まっていたため、ま…

まるで借りてきた猫のような柳田氏 その7

柳田氏と待ち合わせをして出会ったとき、車の窓から腕を出して、田中に向かってチョイチョイと手招きをし、車に乗るように促したりと、柳田氏は意外と強引なタイプかと思いきや、お店で目の前に座っている柳田氏は、お会いするまでにイメージしていたどおり…