婚活難民田中、只今迷走中!

週末引きこもりのアラサー女・田中。金曜夜は食料買い込み、月曜朝までごろ寝する。しかしこれでは本気でマズイと、自らムチ打って結婚相談所へ飛び込んだ。                                     

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

次の約束をしたかったのだが その9

「またお会いできたらと思っています」と別れ際に言われたことを思い出し、その言葉に期待をしてしまっている。期待をして期待どおりになればいいが、そうでなかったときのダメージが大きいことは既に経験済みであるのに、今回もまた期待してしまっている。…

モテる部類に属するであろう山浦氏 その8

その二回の休会は交際のためだったのか、別の用事でだったのかはわからないが、もうそこはあえて聞くことはしなかった。山浦氏はきっとモテるだろう。今の時点で誰ともお付き合いをされておらず、こうして田中の目の前にいらっしゃることのほうが不思議に思…

休会を二回? その7

初めてお会いした日はイタリアンのお店で、ピザとパスタを分け合いながらいただき、サラダやスープ、飲み物は決められたコースについていた。山浦氏は器用に話しをしながら小皿に取り分けてくれたり、遠い位置に置かれていた飲み物をさりげなく田中の手の届…

見込みがないと判断すると、途端に身を引いてしまう自分が嫌になる その6

「なんだか自分の過去の恋愛話を延々としてしまってすみません・・」と山浦氏はおっしゃった。「いえ・・」と言うしかなかった田中は、その後どのような話に持って行くべきか、しばし考え込んでしまいそうだったのだが、朗らかな山浦氏はさらりと話題を変え…

もっとポジティブに捉えたいのにできないもどかしさ その5

こうして思い出しながら元彼女さんのことを話す山浦氏を見ていると、まだその方のことを忘れられないのではないか、とか、まだ好きなのだろうな、と感じてしまい、その日は田中の気持ちが激しく揺さぶられてしまった。 どうやら35歳を機に山浦氏はその方と…

激しい嫉妬心 その4

結婚を考えるまでは海外でおもいっきり国際協力の仕事を、その後は国内で腰を据えて語学の生かせる商社で営業の仕事を、とそのように考えられていたことを知った。しかし、その仕事を辞めた背景には元彼女さんの存在があったことも、聞いてもいないのに話し…

聞きたくなかった元彼女さんの存在 その3

そんな情熱を持って国際協力の現場で仕事をされてきた山浦氏が35歳でその職を辞められたことについて、何があったのか、何が大きな理由となったのか聞いてみたかった。現在は、とある商社で営業を始めて一年が経ったようなのだが、海外で国際協力をするの…

たくましさを感じる山浦氏の国際協力 その2

山浦氏と何往復かメッセージを交わすことで、山浦氏は35歳まで、国内のとある国際協力団体に所属し、発展途上国を数年ごとに転々としながら現地の駐在所でスタッフとして仕事をされていたようである。主に現地で支援物資の受け取りや仕分け、現地での配給…

国際協力分野に身を置いていた山浦氏(36歳)その1

最近、三ヶ月だけの短期雇用で田中の職場に来られている女性の方がいる。田中と直接関係のあるポジションではないのだが、田中の座席から近いところに座っていらっしゃる。その方はどうやら24歳で小さなお子さんがおり、この三ヶ月間だけ実家でお子さんの…

クリスマスが近づいてきたからだろうか その8

藤井氏とはそれっきり終わったと思っていたら、久しぶりに携帯にメールが届いた。一度お会いする前に、オーネットの掲示板から離れてやり取りをするためにプライベートのアドレスを交換し合っていた。一度お会いしてから時間は経っていたし、一度連絡を取り…

田中に興味がないのかと思いきや その7

藤井氏と向かい合って座って話しているのに、藤井氏は急にスマホの操作に夢中になっている。田中は、目の前の人を差し置いてでも連絡をしなければいけない緊急の際は一言断ってからにするが、藤井氏は普段からそのような感じなのだろう。申し訳ないような様…

スマホにのめり込まれると・・ その6

ついつい自分の価値観やルールが基準となって、お相手の方の言動を判断してしまうところがある。もっと寛容に、「あれ?」と思うようなことがあっても柔軟に対応したいとは思うのだが、そこが田中にとっては難しいときがある。初めに抱いた違和感は、結婚後…

そんなにスマホが手放せないなら その5

食事も終盤を迎え、食後のコーヒーが届くまで、藤井氏はスマホに電源を入れ、急に画面を操作し始めた。 ニュースが気になったのか、何かお知らせが届いていたのか・・ 一瞬で吸い込まれるようにしてスマホに夢中になり始めた藤井氏。田中が古い人間なのだろ…

スマホの画面を鏡のようにして前髪チェックをされる藤井氏 その4

数年前、平日の夕方頃だっただろうか。その日、田中は仕事を早退をして、普段は乗らない時間帯に電車に乗っていた。すると私立高校の男子生徒複数が座っており、一人は小さな手鏡を持って自身の眉をチェックしていた。もう一人は、細長いクリップで前髪を横…

人との距離間 その3

距離を縮めるためだろうか。親しみを込めた表現なのだろうか。初対面での食事も中盤に差し掛かったころ、田中のことを「田中ちゃん、田中ちゃん」と呼び始めた藤井氏。この呼ばれ方、嫌ではないのだが、初対面の方にそう呼ばれると、一気に距離を縮められた…

「田中ちゃん」「田中ちゃん」と呼ばれ その2

初めて藤井氏と待ち合わせをしていたその日。待ち合わせ場所では、拝見していた写真より少し落ち着いた感じの藤井氏がいた。仕事モードのときと、プロフィール用の、きっと休日に撮影されたであろう写真とは少し雰囲気が違っていた。とはいえ、髪型は少しお…