某信用金庫に勤める三村氏(38歳)
三村氏からのメールの内容を繰り返し読んだ。三村氏の書いていることはよくわかる。自ら待つと言っても、婚活は結婚へ向けて時間との闘いという側面もある。待っても待っても返信がなければ、もう自分は相手にされていないだろうな、と誰しもが思うところだ…
どんどんと時間が経っていった。この間、いかにもつなぎ止めている感じになってしまうため、三村氏には田中から連絡をしていなかった。だが少しずつ、時間が経つにつれて三村氏の存在も大きくなってきていた。自分は休会して田中のことを待っているとおっし…
田中はお付き合い寸前の男性はおらず、ただ気になっている男性がいるということは正直に三村氏に話した。といっても今後、その気になっている方と進展するかは未知数なのだが、このまま三村氏とお付き合いとなると、オーネットの専用掲示板がブロックされる…
「そうですか、田中さんは気になる存在の男性がいるのですね。それでしたら、その方とお会いしたりしてからでも私は構いません。もしその方と進展が見込めないと思ったときに私のことを思い出してくださったらまた連絡をいただけませんか? 私は休会をして、…
そういえば三村氏は以前、「田中さんは現在、どなたかと交際寸前という状況ではないですか?」と聞かれていた。三村氏もまた、交際直前で断られるということを避けるべくたずねたのだと思うのだが、きっとこのようなことを聞いてくるくらいなので、慎重に物…
二回目に三村氏とお会いし、昼食を終え、映画の後に入ったカフェでまさかの結婚を前提としたお付き合いを申し込まれた。決まりはないが、なんとなく暗黙の了解となっているのが、三回目に告白というのが一番多いパターンだと思っていたため、三村氏からの告…
三村氏と二回目にお会いし、昼食の後は映画館へ行った。既にネットでチケットを購入してくれており、そうでなければ土曜日の午後とだけあって、満席となって観ることができなかったかもしれない。約二時間の今話題の映画を観て、感想を話しながら映画館を後…
三村氏と二回目にお会いする日が来た。この日は、土曜日のお昼前に待ち合わせをし、昼食をしてから映画館へ行くことになっていた。 お昼は、田中が気に入っているお店があり、そこへ一緒に向かった。カジュアルな雰囲気のお店で、タルトのケーキがメインのカ…
飲み会が終わったらメールをしてください、と三村氏に言われていた田中。その意図は・・ もし三村氏がその近くにいて後で会おう、ということなら、事前に予定をしておきたいという気持ちがある。それとも、ただ単に田中の行動を把握しておくためなのか、その…
「その飲み会って、職場の方たちだけですよね。もしよろしければ、その送迎会が終わった後、メールをしていただけませんか?」と三村氏からメールが届いた。何気なく、会社の送迎会があり、行ってきますという内容のメールを送っただけなのだが・・ 送迎会の…
三村氏との毎日のメールも始まった。会っていない間もこうして連絡を取り合えるのは、とても安心することができ、メールを通してお互いのことを知る機会にもなっているように感じる。三村氏は朝、通勤電車の中からだろうか。きまって7時50分頃にメールを…
三村氏と二回目にお会いする約束をすることになり、迷惑でなければ毎日メールのやり取りをしませんか、とおっしゃっていただけたことで、こちらとしても気を張らずに、また頻繁にメールをしては迷惑だろうか、といったことを深く考えずに三村氏に連絡をとれ…
初めてお会いした日の夜、帰宅後にお礼のメールをしようとしたところ、三村氏から連絡をいただいた。「今日は楽しい時間をありがとうございました。もし宜しければ、またお会いしていただけませんでしょうか。田中さんのことをもっと知りたいと思っています…
三村氏は大学卒業後からずっと現在の職場である信用金庫に勤務されている。元々は銀行に就職することを希望されていたようだが、地元密着型の信用金庫へ就職されたとのこと。ある都道府県内のみでの転勤はあり、現在は二つ目の支社とのこと。上司は尊敬出来…
「メールでは、田中さんは今、お目当ての男性と交際寸前ということはないですか?といったことを聞いてしまってすみません。婚活をしていて、いいところまで進んでも急に他の方と交際するようになった、と言ってあっさりと終わらされることが何度かあったの…
田中の新規登録によるバブルもそろそろ落ち着き、お誘いいただける方とは積極的に会うのがいいだろうと考え、三村氏からのお誘いに応じることとなった。「田中さんは今、お目当ての男性と交際寸前ということはないですか?」と質問されていたので、現在その…
最近、少し肌寒くなってきたからだろうか。仕事の帰り道、時折ふと寂しさを感じることがある。家と職場を往復する毎日がこの先何十年と続くのかと想像するだけで、ため息が出そうになる。仕事をすること自体は嫌いではないのだが、定年までと考えると、気が…