福田氏の今までの努力 その3
片道4時間をかけてバスで田中に会いに来てくださった福田氏。一緒にお蕎麦をお昼ご飯にいただいた。「緊張していて、あまりおなかが空いていませんが・・」なんておっしゃる福田氏の言葉が少しかわいく思えた。
お互いの婚活歴というか、今同時進行している方が何人いるかとか、お会いするのは何人目か、いつから登録しているのかといった話をするのはタブーだということは暗黙の了解だという認識があるが、福田氏はこんなことを言い始めた。
「僕はご覧の通り、20代前半くらいからはげてきて、まあこんな見た目なんでなかなか婚活ではプロフィールを交換して写真を見た後から突然連絡がなくなったりすることが続いていて。やっぱり女性は既にはげている男性は嫌なんでしょうね。こうして田中さんとお会いできて嬉しいです」と。
そして、「大学生の頃は本当に悩みました。周りを見渡してもその年齢ではげてきている奴なんて一人もいなかったし、彼女もほしいし、かっこつけたい時期でもあって辛かったけど、その分、勉強や就職で頑張ろうと思って・・・大した学歴ではないのですが、公務員試験に向けて猛烈に勉強して、決まったときには本当に自分に自信を持つことができました。僕は、コンプレックスをバネにして頑張ってこれたと思っています」とおっしゃった。その話し方はとても堂々としていて清々しさを覚えるくらい、もう髪の毛のことなんか気にならないくらい、田中は福田氏の言葉に感動していた。
こんな強い人になりたいと思うし、こうして自分をさらけ出して話せるなんて、もうコンプレックスといった域からは完全に抜け出し、自信を持っている福田氏のことがかっこよく見えてきた。
遠くから来てくださったこともあり、ここは田中がお支払いしたいと考えていた。福田氏は、恐縮しながらも応じてくれた。
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