婚活難民田中、只今迷走中!

週末引きこもりのアラサー女・田中。金曜夜は食料買い込み、月曜朝までごろ寝する。しかしこれでは本気でマズイと、自らムチ打って結婚相談所へ飛び込んだ。                                     

がっかりというよりも、むしろ納得した結末 その13

  なんだ・・ そういうことか。

 その長文メールの後半が分けて送られてくる前に、「ああ、そういうことか」と結末まで推測することができた。

 その元彼女さんは山浦氏と同じく、海外の大学院を出て、ずっと途上国を転々としながら国際協力をされてきた方だ。現在はハイチに滞在されているならば、アメリカまで一泊二日で十分行って帰ってこれる。そして、お二人は別れてからもメールのやり取りがあったのか・・・

 

 約一年ぶりに再会されたであろう元彼女さんを実際に目の前にすると、山浦氏も気持ちが大きく揺らいだのだろう。お二人のように、今まで長年海外で仕事をされてきて、山浦氏は日本で生活を始めてもその中でたくさんのギャップや日本ならではの慣習にとまどいもあったのではないだろうか。また、婚活で出会う女性の中に、その元彼女さんとほど分かり合えるような女性に出会えていないのだろうな、とも思った。ある意味、お二人とも特殊な世界にいらっしゃった分、新たにそれぞれが相手を探そうとしても難しいのではないだろうか。それに加えて長年お付き合いされていたということは、なじんだ部分も大きかったのでは・・と自分なりに考えてみた。

 長文メールの後半には、「二回目に田中さんと約束をしておきながらすみません、私自身もすごく悩んだり考えたりしていた数週間で、やはり遠距離となってもその元彼女と関係を再構築していこうと思います」といったことが書かれていた。

 山浦氏らしいなと思い、こうして正直に書いてくださったことについては嬉しく思い、田中は精一杯のエールをメールで送り、山浦氏とは終わった。

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二回目の約束の数日前に長文のメールが届く その12

 

 山浦氏と初めてお会いしてから、山浦氏のアメリカ出張をはさみ、約一ヶ月ぶりにお会いすることになった。約束の二日前、山浦氏からメールが届いた。ちょうど、田中の頭の中は山浦氏と二回目に会う約束のことでいっぱいだった。

「田中さん、やはり田中さんに二回目にお会いする前にきちんとお話をしておかなければと思い、メールをしました。実は、田中さんとお会いして、私は田中さんのことが気に入り、今後もお互いのことを知っていけたらと考えていたのですが、先日のアメリカ出張先で、現在ハイチにいるその元彼女が滞在先に会いに来てくれて、遠距離でもいいからもう一度ヨリを戻したいと言われました。私としてはもうその方とは完全に終わり、前を向いていこうと日本での仕事に就き、日本で結婚できる方を真剣に探そうとオーネットに入会したわけですので、本当に彼女とは終わりを決意していたわけです。ただ、別れてからも、同じ仕事を場所は違えど今までしてきたわけですので、同士といいますか、そんな感じでの繋がりはあって、とは言ってもメールをするくらいなのですが。。それで今回、私のアメリカ行きに合わせて彼女がハイチから休暇を利用して会いにきてくれたわけです。長くなってすみません。メールを分けて送ります。」

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嬉しい連絡 その11

 

 約二週間が経った頃、山浦氏はそろそろ出張から帰国されただろうか、そんなことを思いながら、「戻ったら連絡します」という言葉に期待をしたり、そんなに期待をしてしまってはいけないと、自分が傷つかないように自己防衛してしまっているところもあったりと複雑で気持ちの揺れ幅がとても大きかった。

 そして、ある晩に山浦氏からメールが届いた。

「田中さん、お久しぶりです。昨晩、無事に出張から戻ってきました。田中さんにちょっとしたお土産を買っています。もしよろしければ、またお会いいただけませんでしょうか」

 海外出張を境にもしかしたらもう返信はないかもしれないと考えていた田中は、山浦氏からのこのメールに感激してしまった。それにお土産まで・・ 現地でも田中のことを思い出してくれたのだと思うと嬉しかった。

そして、その連絡をいただいた翌週の週末にお会いする約束を果たした。

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