6年間付き合った昔の彼女 その3
聞いてもいないのに、昔の彼女の話を始めた大野氏。おまけに6年間も付き合った、なんて生々しく年数を聞いてしまうと、聞かなければ抱くことのなかったモヤモヤとした気持ちが芽生えてきた。大野氏と初めてお会いしてまだ30分も経っていない。大野氏に対して「好き」とか「もっと知りたい」という気持ちがまだない段階で聞いてしまった昔の彼女の話に、自分でも想像以上に反応してしまっていることに気がついた。6年間交際していたって、すごいな・・ そんなに長くいたら、ご家族に紹介し合ったりしたのだろうか・・ 同棲していた期間とかあったのだろうか。このお店にもよく一緒に来ていたんだろうな・・ それにしても6年も付き合って、結婚に至らなかったのはなぜだろう・・ 結婚の約束はしていたのだろうか? 自分でも嫌になってしまうくらい、あれこれと疑問が浮かび、解消しきれないモヤモヤを抱えたまま、大野氏との食事が始まった。
大野氏の現在の出向先の職場では、派遣として働く女性が身近に多いようで、派遣期間の関係からか、よくメンバーの顔ぶれも変わるそうだ。また、機械相手でもあるので、突発的な故障といった対応で、拘束時間が長くなったり、休日出勤も余儀なくされたりとなかなか大変そうだ。話の中で大野氏が何度となく「派遣が」「派遣が」と派遣の方のことを派遣呼ばわりしているのが少し気になってしまった。
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