婚活難民田中、只今迷走中!

週末引きこもりのアラサー女・田中。金曜夜は食料買い込み、月曜朝までごろ寝する。しかしこれでは本気でマズイと、自らムチ打って結婚相談所へ飛び込んだ。                                     

IT関連会社に勤務の大野氏(37歳)その1

  オーネットで婚活を始めてから、エンジニアをされている方と出会う確率が他の職種と比べて多いように感じる。今回もエンジニアとして働く大野氏とやり取りが始まった。

詳細プロフィールも交換し合い、大野氏は某国立大学の工学部を卒業されている。地方出身のようではあるが、現在一人暮らしをしている都道府県は田中と同じところのようである。交換し合った写真からは、知的な雰囲気が醸し出され、恥ずかしそうにほほ笑む表情からは優しそうな印象を受けた。このプロフィール用の写真を撮るところはオーネットで紹介されるのだが、男性陣にも笑顔で撮影することを推奨しているのだろうか。今まで拝見してきた方々は、ほぼ笑顔の写真であった。上半身と全身の二枚を登録することになっているのだが、やはり笑顔の少ない方は少し怖く、堅い印象を持ってしまう。たかが写真、されど写真、この二枚の写真が与える印象が、今後の進展の重要な役割を担っているように思えて仕方がない。

 

 大野氏は現在、関連会社に出向されており、そこで仕事をしているようである。そこの会社の都合に合わせて予定を組まれているため、時間的制約や休日出勤もよくあり、常に縛られていて思うように婚活もできていないということをおっしゃっていた。婚活相手と会う約束をしても、急なキャンセルや職場を出ることができなくなったりすることが今まで多かったようだ。そのようなことで迷惑をかけてしまうことがあるかもしれませんが、よろしければ一度お会いしませんか、とおっしゃっていただき、あまり間を空けずに平日の仕事の後に約束をした。

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親子でタッグを組んで婚活始動?

 

 田中が一大決心をし、オーネットに入会をした日のことである。

支社にて一通りの手続きを終え、いわゆる「お見合い写真」を撮影しにいくことになった。その支社では外部に提携している写真屋さんがあり、「今から田中さんがそちらに参ります」とスタッフの方が事前に電話予約を入れてくれた。そして、手渡された地図を頼りに支社から出て、一人向かうことになった。

 歩いて15分くらいだっただろうか。個人経営されている昔ながらの写真屋さんを、今風に改装したような店内だった。名前を告げて待合いのソファーで待つように言われた。するとそこにはすでに田中同様、一人で来ている女性と、母娘と思われる親子が二組、座っていた。全員、オーネットの支社で手渡された地図やパンフレットを持っていたため、目的は皆同じだろうと思った。

 親子二組の娘さんたちは、田中同様アラサーとおぼしき面々であった。

田中は、田中より少し前にオーネットで活動を始めた友人の紹介によって入会を決めたということもあり、両親には話していない。こうして親子で来ている方々は、活動を始めてからログインすることで見ることができる男性陣のプロフィールや写真を「お母さん、この方どう思う??」なんて言いながら一緒に見たり、「この方、いいじゃない」「こういう方、いいわね」と話しながら婚活に励んでいるのかもしれないと最近になって思うようになった。婚活をしていると、些細なことでも話を聞いてもらいたくなるときがある。こうして親子で婚活のことを話せるのは気持ちが軽くなりそうで、うらやましく感じる。そういえば、田中が以前お会いした小椋氏も、きっと同じように親子でタッグを組んでいるに違いない。

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「ゴメンゴメンゴメン、ゴメンね!!」 その10

 

 その横同士の席が極端に狭いおでん屋さんにて。細川氏がそっと田中のふとももに左手を置いてきた。田中は無言でその手を払いのけた。細川氏はまさかそんなことをされると思っていなかったのだろう。あわよくば、田中が見つめ返し、良い雰囲気になるとでも思っていたのかもしれない。が、その日は初対面。まだ細川氏に対して特別な感情は生まれていなかった。そんなときに触ってこられると拒絶感しかない。次第に不愉快な思いでいっぱいとなり、「私、ここで失礼させていただきますね」と淡々と言い、席を立とうとした。すると、「ゴメンゴメンゴメン、ゴメンね!!」と細川氏はこんな調子だ。もう細川氏に今後会うこともないだろう。ずるずると細川氏のペースに引っ張られることを警戒した田中は、そのお店を出て、急いで駅へ向かった。

 もう少し一緒に時間を過ごした方が、相手のことをもっと知る機会にもなると思ったのだが、その日は食事だけで帰れば良かったと自分の行動について反省した。そして軽く見られたこと、触られたことが悔しかった。

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