せかすように相づちを打たれては その4
初対面のその日、職場でヒステリーを起こした女性社員の話をした内海氏。そのような話を聞いても、初対面でもあるのでなんとも答えようがなく、かといってうまく話題を変えることもできずにいた田中。気まずい雰囲気が流れていたのだが、内海氏はそのようなことはまったくと言っていいほど気に留める様子でもなく・・
内海氏は田中の仕事についていくつか質問をされたので答えていると、「へ~、それで?それで?」と内海氏はせかすように相づちを打ってくる。田中は決しておっとりと話すタイプではないので、苛つかせたわけでもないと思うのだが・・ 内海氏は、田中に質問をしておきながら、「相手の話に耳を傾けて聞く」という態度ではなかったことが、より田中を腹立たせる要因となっていった。
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なんとなく上から目線 その3
その連れられて向かった先のカフェがまだ新しく、オープンしたばかりだとは知らなかった田中。そのことを伝えると、「やれやれ」と言った表情を見せ、鼻で笑ったように感じた。誰しもが流行りのスポットや流行をおさえているわけでもない。そんな、最近できたお店をチェックすることにも限度があるのでは・・とも思ったのだが、「ここ、ずっと気になっていて来てみたかったんです!!!! 内海さんはもうすでに来たことがあったのですね、さすがですね」といった返答を期待されていたなら、田中の反応は薄すぎてがっかりしたことだろう。それにしても、こんなこと一つでこの態度、なんだかムカムカとした気分になってしまったのだが、うまく内海氏を立てることができなかった田中も悪いのか? それにしても、内海氏と話していると、どことなく男尊女卑的な物の見方をされているような気がしてならない。話の中で、先日、内海氏の職場の50代の女性社員の方があることをきっかけにヒステリーを起こしたようだ。その話をしながら、「だから女は職場でも感情むき出しで嫌なんだよ」と言い放った内海氏の一言が頭に残ってしまった。そんな話、初対面の婚活相手の田中に話したってマイナスでしかないのに・・
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ぶっきらぼうな態度 その2
しばらくやり取りが滞っていたのだが、ある日突然「会いましょう」ということになり、約束をしていた日を迎えた。内海氏は、とある有名なメーカーでエンジニアとして仕事をされている。そして、内海氏は今や珍しく思える三兄弟の中の一番下のようである。お兄さんお二人は、詳細プロフィールを拝見する限り既に結婚をされているようで、内海氏は現在、ご両親とご実家にお住まいのようである。
待ち合わせ場所で内海氏とおぼしき方を見つけたので、田中から近づき、ご挨拶をした。内海氏も名乗りながら挨拶をしてくれたのだが、どことなく、ぶっきらぼうな、言い方によっては偉そうな印象を受けた。田中が時間に遅れて到着したわけでもない。でも、早めに待ち合わせ場所に来られて待ってくれていたのかもしれない、と思うとそれが理由かもしれないとも思えたが、初対面でこうもぶっきらぼうな感じだと田中は少し萎縮してしまいそうだ。
その日は内海氏が良い場所があるということで、向かった先はカジュアルなカフェだった。そこで飲み物を注文し、平日の仕事帰りで空腹ではあったのだが、内海氏は飲み物だけ注文されていたので田中もそうすることにした。内海氏に、「ここに来たことある?」と聞かれた。
どうやらこのカフェは少し前にオープンしたばかりで、はじめの1、2ヶ月はとても混んでいたようだ。そのようなことは知らなかったということを伝えると、「は~、やれやれ」といった仕草をしてみせ、フッと鼻で笑ったように田中は見えた。
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