婚活難民田中、只今迷走中!

週末引きこもりのアラサー女・田中。金曜夜は食料買い込み、月曜朝までごろ寝する。しかしこれでは本気でマズイと、自らムチ打って結婚相談所へ飛び込んだ。                                     

そういうことだったのか その15

 

 すでに青木氏のことが気になり、好きになっていた分、他の方と正式に交際することになったというこのメールには堪えた。翌日の水族館へ行くことを楽しみにしていただけに、一気に奈落の底へと突き落とされた。

 

 借りていた文庫本7冊を返そうと、お礼に市販の可愛くラッピングされたクッキーの詰め合わせを用意していたのだが、もう手渡すことができなくなった今、自分で食べる気すら起こらない。青木氏の元に戻ることができなくなってしまった文庫本7冊を眺めていると、取り残された自分の姿と重なり、同情してしまった。

 

 そうか・・ 

 今まで青木氏とお会いしても、その後、メールの返信が途絶えたり、思い出したかのように返信があったり、なかなか次の約束の話とならなかったのは、本命の方がいて、その方との調整があったからだろうか。それにしても、その方とお付き合い寸前までコマを進めていたとは。。。その隙間を埋めるかのように、田中との時間を作ってくれていたのだろう。そういう存在がいながらも、田中との三回目の約束をされていたのは、紛れもなく保険扱いだったのだと身にしみて感じる。

 婚活なので、お付き合いに至るまではみんなこのように同時進行していることだろう。早くこのシステムに慣れなければ、という思いと、なんだか自分がみじめに思えてきて、もう青木氏に会えない悲しさと、自分は本当に結婚できるのだろうかという不安に押しつぶされ、自分でもびっくりするぐらい泣いてしまった。

応援してください

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村

ショック・・ 最悪な結末 その14

 

 水族館と夕食へ行く約束を果たし、それに向けて準備をしながらその日が来るのを楽しみにしていた。こういうとき、他の方々とのやり取りにまで手が回らなくなり、連絡を取り合っている方々とはメールをする頻度が落ちてしまう。もっと器用な人たちは、本命とうまくいかなかったときのことも考えて、同時進行で会ったりと、うまく両立しているのだろうと推測する。田中はまだそこがうまくできず、青木氏しか見えていない状態となっている。

 

 そんな中、青木氏と三回目にお会いする前日、メールが届いた。

「田中さん、明日予定いただいていた約束ですが、この段階で大変申し訳ございません。私も楽しみにしていたのですが、他に気になっている方がいまして、その方とお付き合いをすることが決まり、休会をすることとなりました。この時点でのご連絡となり、本当にすみません。今までありがとうございました。」

応援してください

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村

まさかこんなにあっさりと次回の約束ができるとは その13

 

 かなりマイナス思考になっていた田中。

青木氏は、話していたとおり、次の約束のことを考えてくれていたようだった。田中は返信をするのに日数を空けないため、またお礼のメールは翌日までには必ずするため、青木氏とのメールのやり取りに関して「おやっ??」と思ってしまうのかもしれない。青木氏には青木氏のペースがある、それを乱すのは良くない、自分のメールをする頻度を普通だと考えない方がいい、と自分に言い聞かせることにした。

 

 青木氏との会話を楽しむためにも、次に会うまでに借りている小説をもっと読んでおこうと思う。また、現在行われているスポーツの話題も準備しておこう。最近の出来事や、今している仕事の話、ニュースについても話を用意しておかなくては。それから、その日は長時間歩くことになるため、歩きやすくて可愛い靴を見つけたら買っておこう。服は前回と違うあれを着て・・と、こんな準備をしている時間は楽しく、浮き足立っていることに気がついた。やっぱり、田中は青木氏のことが気になっている。いや、もう好きなのかもしれない。

応援してください

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村