不労所得で生計を立てている柳田氏(39歳)その1
田中のプロフィールを見て申請をしてきてくださった柳田氏とメールのやり取りが始まった。
柳田氏は39歳。30歳の田中からすると、少し年齢が離れているように感じるのだが仕方がない。住居地を絞りすぎているせいもあるかと思うが、同年代の男性はあまり見当たらない。
詳細プロフィールを交換し合ったことで判明したのだが、柳田氏はどうやら不労所得で生活をされているようだ。会社勤めはされておらず、かといって自営業といったわけでもなく、少し特殊な記載がされていたため、やり取りを始めた当初はどのようなお仕事をされているのか全くわからなかった。やり取りが始まった直後に聞くには失礼かと思い、田中からは聞かなかった。そしてメールを何度か交わす内に、柳田氏からそのことを話してくれた。田中は当初、FXのトレーダーさんかと推測していたが見事に外れ、ご両親が所有していたマンション二棟と商業用ビル一軒を引き継ぎ、その管理をされているとのことだった。まだはっきりとしたことはわからないのだが、どうやら商業用ビルは誰もが知る都会の一等地にあるようだ。それらの管理をしながら、経理や必要となる事務手続きをご自身でされているようである。
世の中にはこのようにして生活している方がいるのか。。田中は今までそのような方に出会ったことがない。毎日、通勤電車でもみくちゃにされながら自宅と職場を往復している自分とは住む世界が違うような気もしたが、せっかくいただいた申請でもある。しばらくやり取りを続けてみようと思う。
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会う前からかみ合わない橋本氏とのその後 その5
気軽にバーベキューにおいでよ!といったスタンスなのだろうが、買い出しから準備、調理、最後の片付けまですることが多く、この暑さの中、バーベキューはなかなか大変なものではないだろうかと思ってしまう。それに、知らないひとたちの中に飛び込むのはかなり勇気がいる。それだけで人見知りする田中は気後れしてしまう。気心知れた仲間内でするなら楽しいだろうが、まだお付き合いもしていない方の仲間とのそれに参加をしても、この人は一体何者?と思われるだけだろう。ありがたいことなのだが、微妙なお誘いが続いた。
初回なので、カフェか食事にでもと一度提案はしたものの、それよりもハイキングへ行こう、という話になり、橋本氏とはあまりかみ合わない。きっと悪い方ではないのだろうが、こうもかみ合わないと進展が望めない。
まだ会っていないということもあり、橋本氏に対して特別な感情は持っておらず、次第にメールをすることも減っていった。やはり、連絡をとる頻度は気持ちに比例するのだと実感した一件であった。
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まだ会ったことがない橋本氏と電話で話すことに その4
まだ会っておらず、これからどうなるかわからない男性に電話番号を伝えることにためらってしまったが、色々とお誘いを断っていたので申し訳ない気持ちもあり、田中の電話番号を伝えた。それにしても、会ったことがない男性と電話で話すというのはとても緊張してしまう。一体どのようなトーンで、どのような会話運びとなるのだろうか・・ また、会う前に話す必要はあるのだろうか、電話で受ける印象で次に会うかどうかを決めるのだろうか。電話だけではなかなか伝わりきらないものがあると思ってしまうのは田中だけだろうか。
ほどなくして、橋本氏から電話がかかってきた。
まるでどこかから走ってきたかのように鼻息が荒く、少しびっくりしてしまったが、直前まで自宅で筋トレをされていたようだ。想像していたより、橋本氏は体育会系のようで、高校時代、バスケ部に所属していたことから、今でもその仲間たちと集まることが多いという話になり、「田中さんもよかったら来てください。今月末の○日にみんなでバーベキューをします。何人かは奥さんや彼女さんも連れてくると言っていたので、是非!」とまで言ってくれた。
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