萌え系でなければ その4
斉藤氏が好きなアニメについて、よくわからなかったので検索をしてみると、見た感じ萌え系ではなさそうだと判断した。趣味は自由なので、田中が口を挟む権利はないが、萌え系だけはなぜか苦手意識があるため、そうでなければ問題ないと思った。
何度かやり取りを交わした後、「一度お会いしませんか?隣の街にお住まいということで、すごく近いですよね。」というメッセージをいただき、二人の最寄り駅の中間地点となる駅で待ち合わせをすることとなった。お互い、電車で5分未満の、一駅乗るだけの距離である。こんなに近い方とお会いするのは初めてだ。
当日、その場所に現れた斉藤氏のことは、ご本人だとすぐに分かった。挨拶を交わし、駅改札を出てすぐのお店へ向かった。わずか1、2分、並んで歩いただけだったが、田中は斉藤氏との身長差をすごく感じた。
斉藤氏のプロフィールには158センチとあり、田中は167センチある。田中はその日、持っている靴の中でヒールのない、ペッタンコに近いものを履いていったのだが、厚みで170センチにはなっていただろう。男性にとって、自分より背が高い女性は嫌ではないだろうか。会いましょう、ということになったのは、その点は受け入れられているのか、それとも、そこは目をつむってくれているのだろうか。
お店に入る前、斉藤氏が、「田中さんは背が高いですね」と、ニッコリしながらそうおっしゃった。
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