婚活難民田中、只今迷走中!

週末引きこもりのアラサー女・田中。金曜夜は食料買い込み、月曜朝までごろ寝する。しかしこれでは本気でマズイと、自らムチ打って結婚相談所へ飛び込んだ。                                     

自称グルメな男性 細川氏(36歳)その1

田中は、自分のプロフィール欄に「食べ歩き」が好きだと書いたように記憶している。婚活を始めるまで、週末は時間を気にすることなく寝ては起き、起きては寝て、とひっそりと過ごしてきたわけだが、いざ出かけるとなれば、あれこれ調べてよさそうなお店で食…

お金さえあればいい!とは思えず・・ その17

二回目にお会いして帰宅した後、何故か柳田氏からまたお誘いをいただいた。 柳田氏はマンション2棟と商業用ビルを1軒管理されている。今は亡きご両親から受け継がれたものだ。不労所得で生活する柳田氏には、どことなくゆったりとした時間が流れている。こ…

なかなか会話が成立しない その16

ようやく柳田氏が考えてくれていたカフェへ到着し、車をとめて中へ入った。ここに着くまで、この日はろくに会話をしていない。挨拶と少し雑談をボソボソと交わした程度だ。柳田氏は車内でロックを流し始め、上体を使ってリズムをとりながら運転していた。 そ…

車内だとノリノリ、車外だと途端におとなしくなる柳田氏 その15

隣の運転席で流れてくるロックに合わせて上半身でリズムをとりながら音楽にのりながら運転をする柳田氏。この狭い同じ空間にいるのに、乗ったばかりの田中は同じようにリズムをとりながら楽しめるわけもなく、居心地が悪く落ち着かない。この日は、二回目に…

お洒落なサングラスと車内の音楽 その14

二回目に待ち合わせをした際、車で現れた柳田氏は窓から腕を出して合図をしてくれ、かけていたお洒落なサングラスに驚いてしまった。人様のことを言えた立場ではないのだが、柳田氏は前回お会いした際、お世辞にもおしゃれとは言いがたい格好だった。そして…

迷ったが、もう一度お会いしてみることに その13

柳田氏との初回では、きっとお互い緊張もあって、あまり会話が弾むこともなかったのだが、そういうこともあると考えることにした。だんだんと時間が経つにつれて、お互い自分を出し合えるのではないかと、そのためにはもう少し時間をかけて知り合っていくこ…

柳田氏は「優良物件」と言わんばかりの婚活アドバイザー その12

オーネットでは、会員一人一人にアドバイザーの方がついてくれている。何でも相談ができる心強い味方であるが、田中は職場に近いオーネットの支社で登録をしたため、自宅からは少し遠い。仕事帰りに寄って、あれこれと相談に乗ってもらうのもいいが、忙しく…

お会計にて その11

柳田氏は車が好きで二台所有されており、頻繁に気に入った車を見つけては買い替えているという話を聞いて、一般庶民の田中は仰天してしまった。不労所得で生計を立てている柳田氏は、実際のところどのような生活をされているのだろうか。ものすごくお金持ち…

そんなに頻繁に車を買い替えているとは その10

初対面の日の食事も終盤を迎えた頃、そういえば柳田氏はプロフィールの趣味の欄に「車」と記載されていたことを思い出した。先程の車での登場にはびっくりしてしまったが、高級車だったことは明らかだ。車の話を振ってみると、「車は昔から好きで、現在2台…

ふるさと納税に精を出す柳田氏 その9

柳田氏は食が細く、コース料理についていたデザートは断っていた。食後のコーヒーを飲みながら、普段、会社勤めをしていないので、ほぼ一人で過ごすことが多く、もう随分とそれには慣れてきたけれど、時折寂しく感じるようである。確かに、田中も毎日職場で…

マンション2棟と商業用ビル1軒を管理する柳田氏 その8

初めてお会いした柳田氏と食事をしながら、柳田氏の仕事の話となった。柳田氏は、大学を卒業された直後は、5年ほど不動産会社に勤務をしていたようだ。ゆくゆくはご両親が管理されていた建物3棟を引き受け、管理することになることが決まっていたため、ま…

まるで借りてきた猫のような柳田氏 その7

柳田氏と待ち合わせをして出会ったとき、車の窓から腕を出して、田中に向かってチョイチョイと手招きをし、車に乗るように促したりと、柳田氏は意外と強引なタイプかと思いきや、お店で目の前に座っている柳田氏は、お会いするまでにイメージしていたどおり…

謎めいた行動 その6

柳田氏が駐車をするために去った後、田中はその場で一人、戻ってこられるのを待っていた。この後に食事をするところの駐車場にとめるのであれば、すぐに戻ってこられるだろうと思っていた。それなのに、15分、20分・・と時間が経つにつれて「あれ?」と…

車を披露したかったのかな その5

予約してくださっているお店はその場所からすぐだということが判明し、それなら駐車をしに行くために田中が乗車する必要はないのではないかと思えてきた。待ち合わせ場所は某駅の改札を出た付近だったこともあり、電車でお越しかと思っていた。車で現れた柳…

初めて会う婚活相手の車に乗るには抵抗が・・その4

まだお付き合いにも至っていない、婚活で知り合った男性の車に乗るには抵抗がある。今までも○○へ行きませんか、車で迎えにいきます、とおっしゃってくださった人がいたが、車内の近すぎる空間がどうも苦手だ。今回、初めてお会いする柳田氏は、てっきり電車…

柳田氏の登場の仕方にびっくり その3

ご両親を何歳の頃に亡くされたのかわからないが、もし田中が同じ立場なら、亡くした後しばらくは結婚について考える余裕はないだろう。ましてや婚活にいそしむ気力も湧いてこないだろう。39歳まで結婚されなかった理由は色々とあるだろうが、ご両親のこと…

柳田氏のご両親は既に他界されているとのこと その2

柳田氏は、ご両親が所有されていたマンションとビルの管理をしながら生活をされている。銀行へ行ったり、会計の先生方と会ったりすることはあっても、基本一人で過ごすことが圧倒的に多いとメールにあった。会社員なら返信できないであろう時間帯にメールが…

不労所得で生計を立てている柳田氏(39歳)その1

田中のプロフィールを見て申請をしてきてくださった柳田氏とメールのやり取りが始まった。 柳田氏は39歳。30歳の田中からすると、少し年齢が離れているように感じるのだが仕方がない。住居地を絞りすぎているせいもあるかと思うが、同年代の男性はあまり…

会う前からかみ合わない橋本氏とのその後 その5

気軽にバーベキューにおいでよ!といったスタンスなのだろうが、買い出しから準備、調理、最後の片付けまですることが多く、この暑さの中、バーベキューはなかなか大変なものではないだろうかと思ってしまう。それに、知らないひとたちの中に飛び込むのはか…

まだ会ったことがない橋本氏と電話で話すことに その4

まだ会っておらず、これからどうなるかわからない男性に電話番号を伝えることにためらってしまったが、色々とお誘いを断っていたので申し訳ない気持ちもあり、田中の電話番号を伝えた。それにしても、会ったことがない男性と電話で話すというのはとても緊張…

「今から電話をしてもいいですか?」その3

まだお会いしていない橋本氏。初回でハイキングはいかがですか、と聞かれたが、それはもう少し仲良くなってからが良いと判断し、どこか仕事帰りにでもカフェへ行きませんか?と提案してみた。 すると、田中の質問には回答はなく、「今から電話をしてもいいで…

初回のお誘いの内容がワイルドすぎる その2

橋本氏が楽しんでされているボルダリングに誘って頂けるのは本当に嬉しい。ボルダリングを否定するつもりは全くないのだが、テレビで見た限り、岩のような壁面を登っていく過程で、右手はこっち、左手はあっち、足も同様にちらばり、壁面にはりつく姿を初対…

スポーツ好きな団体職員橋本氏(37歳)その1

オリンピックを観ていると、最後まで諦めずに闘う姿勢に感動し、連日、勇気をもらっている。先日のショックから立ち直るには時間がかかるかもしれないと思っていたのだが、日本人選手たちの勇姿に励まされ、落ち込んでばかりでは何も始まらない、前進あるの…

そういうことだったのか その15

すでに青木氏のことが気になり、好きになっていた分、他の方と正式に交際することになったというこのメールには堪えた。翌日の水族館へ行くことを楽しみにしていただけに、一気に奈落の底へと突き落とされた。 借りていた文庫本7冊を返そうと、お礼に市販の…

ショック・・ 最悪な結末 その14

水族館と夕食へ行く約束を果たし、それに向けて準備をしながらその日が来るのを楽しみにしていた。こういうとき、他の方々とのやり取りにまで手が回らなくなり、連絡を取り合っている方々とはメールをする頻度が落ちてしまう。もっと器用な人たちは、本命と…

まさかこんなにあっさりと次回の約束ができるとは その13

かなりマイナス思考になっていた田中。 青木氏は、話していたとおり、次の約束のことを考えてくれていたようだった。田中は返信をするのに日数を空けないため、またお礼のメールは翌日までには必ずするため、青木氏とのメールのやり取りに関して「おやっ??…

青木氏から返信が届いたが、後回しにされているのだろうか その12

次回また会うことになっていたため、その予定を具体的に決めたいと思い、青木氏にメールを送った二日後に返信があった。スムーズにやり取りが進まないのは、田中に対する思いもその程度なのだということは理解している。田中のことを本当に気に入って手放し…

会ってからその後、連絡がないと不安になってしまう その11

二回目にお会いして、次の約束の話もしていたのに、またパッタリと青木氏から連絡が途絶えた。お礼のメールを送ってから一週間が経った。次は休日に長時間出かけようという話をしていただけに、田中は期待してしまっている。こうして青木氏から返信が来るの…

三回目に会う約束を果たしたが、その後・・その10

天にも昇りそうなくらい、青木氏からの次回お誘いの言葉は嬉しかった。 一度会ってから約三週間、青木氏からまったく返信がなかったが、思い出したかのように連絡をいただき二回目に会うことになったが、会うまでは全く期待していなかったため、予約してくれ…

「田中さんは、私に自信を与えてくれます」 その9

初回で青木氏が話していた小説について、読んでみたいと思っていた矢先、こうしておすすめの7冊を紙袋に入れて持ってきてくれたことに感激した。 返さなくてもいいと言われたけれど・・・ これを口実に、何か小さなプレゼントをお礼に添えて、返すために次…